今回は「究極の組織プロジェクト」を導入いただいた株式会社イング 代表取締役社長 青木 崇幸様にお話しをうかがいました。
代表取締役社長
青木 崇幸
まずはイングさんの事業内容を教えてください。
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青木社長 -
うちは幼児から社会人までの教育全般を事業領域にしている会社です。約70の直営教室と、幼稚園、私立の小中高、大学の学習支援をさせていただいています。いちばん多いのが大学で講座は年間250〜300。最近では幼稚園で英語を教えるネイティブの派遣、私立小学校のアフタースクールの話なども増えてきています。
それはカリキュラムがパッケージとしてある感じですか?
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青木社長 -
カリキュラムもありますが原則はカスタマイズです。例えば、SPIで要求される数学力がなくて困っているという文系大学の中でも半年かけてやってほしいというところもあれば夏休みの4〜5日でやってほしいというところもあります。そういった要望によってカスタマイズしていきます。
さらに弊社の特徴として、目標に対する到達具合、受講前後の現在地がどのあたりかというのを見える化して学生やキャリアセンター、教務課にフィードバックしています。
要望、現状などをヒアリングして設計する。人の力がかなり必要なお仕事ですね。
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青木社長 -
そうですね。大学にはいろんな窓口があるのでそれぞれの職員さんと親しくなって悩みを聞くことが大事になります。関係を構築していくのには時間もかかります。
人材に対して以前からの課題はありましたか?
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青木社長 -
結婚や出産のために離職する人が多い、ということですね。学習塾というのは学校が終わってから行くものなので、職員の勤務時間も13時から22時と日中の仕事とは大きく異なってきます。残業が多いということはありませんが、どうしても時間帯でミスマッチになる。
ただ、会社として環境を作りたいという思いはありますし、辞めてからも長い縁でいようという風土もあるので、最近では大学の授業を週2回だけ、という働き方をするスタッフも出てきました。
イングさんが受けられたのはどのような研修ですか?
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青木社長 -
名刺にアウトプットする「主人公誕生プログラム」というものです。僕自身がこのプログラムを知って惚れたのがきっかけでした。僕自身が講師としてこれをやりたいと思ったんです。それくらいコンテンツが考えられているな、と思いました。
どんなところがすごいと思いましたか?
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青木社長 -
アウトプットさせるところです。教育業界にいると入試や受験など学校の教育制度に合わせているのでインプットが多い。いかに工夫してインプットして成果をあげるかが中心になるんです。でもこの「主人公誕生プログラム」はアウトプットし、それをどう生かしていくかがポイントになる。教育する側の視点で見て、かなり衝撃的でした。
もともとそこに課題意識があったからこその衝撃だったのでしょうか?
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青木社長 -
そうですね。塾の仕事というのは教室の中でしか対話がないんです。教室にいる教師と生徒、保護者との対話しかない。どうしても井の中の蛙になりがちです。みんなが本当はどういう考え方で働いていて、どういう夢をもっているのか。経営者としてそういったことを聞いてみたいというのはありました。でも100人近い従業員を前に「さぁ、語り会いましょう」と突然言っても驚かれるだけ。そう思っていたときにこの研修を知ったわけです。
研修の様子はどうでしたか?
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青木社長 -
楽しそうに受けていました。教育者なので基本的にみんな学ぶことが好きなんですね。斜に構えることもなくまずは受け止めようという姿勢でした。自然に和気あいあいと、頭に汗をかきながらアウトプットしたり質問をしたり。研修の中で高まりあっていくのを感じました。
もともと前向きな姿勢なわけですね。
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青木社長 -
そう。学びたいし、学ばざるを得ない。自分が学ばないで子供たちに学べというのはおかしな話ですから。自然に受け入れる素養はあると思います。
学んだことでの変化はありましたか?
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青木社長 -
参加したメンバーは自分の強みが書かれた名刺を作るんですが、やっぱり名刺交換が楽しくなりましたよね。もらう方もうれしい。僕だったら「“可能性を引き出す達人”なんですね!」と突っ込んでくださる。一歩踏み込んだ関係性づくりにつながりますし、スタッフに興味関心をもってもらうきっかけにもなります。
勉強で言うと目標を貼って毎日確認するのに近いですね。
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青木社長 -
そうですね。可視化は大事です。名刺交換するたびに「昨日の自分はダメだったな」といった内省の機会にもなります。
あとは、個人面談では聞けないスタッフ一人ひとりの気持ちが聞けたのもよかった。
なぜ個人面談では難しいんでしょう?
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青木社長 -
1対1だと言いにくかったり、深い問いかけができないというこちら側のスキルの問題もあると思います。質問する側にも答える側にも力量がいる。それに、面談ではどうしても目先のことばかりになりがちです。プログラムは目先のこともあれば心の奥底の質問、未来の質問もある。深く自分を見つめる、自分を探求する。それを披露することで相手のことを知る機会にもなりました。
チームの雰囲気や関係性にも変化がありましたか?
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青木社長 -
やりたいことにマッチするような授業をしよう、自分たちでそういう案件を取りに行こう、というような姿勢に変わっています。
内的動機に基づいて仕事を取りに行ける、すばらしいことですね。
では、このプログラムの効果の中で、あえていちばんを挙げるとしたら何ですか?
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青木社長 -
自分がいちばん大切にしていることが分かる、ということです。自分の核、答えは必ず自分の中ありますから。やらないと暗黙知になって気づかないままだったと思います。
私の場合は名刺の通り「人の可能性を引き出す」というのがキーワードになりました。
人生の指針に気づくきっかけになったわけですね。
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青木社長 -
たぶん、自分ひとりで受ける研修だと出ないんですね。人の質問に答えてシェアしてみると「社長、そう思ってたんですか?」「そんな風に見えませんでした」と反応があって、それがいい。
実は許可を得て高校生にこのプログラムをやったんです、「主人公誕生プログラム高校生版」。言葉もすべて高校生向けに変えてやったんですが、これがよかった。引きこもっていた子が自己開示するんですよ。しゃべらない子が自分のことを喋り出す、そうするとクラスも盛り上がる。いまはクラスの中心、ムードメーカーになったと担任の先生からとても感謝されました。
突破したわけですね、すごいです。仕事の中での変化はどうですか?
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青木社長 -
スタッフ同士の関係性が豊かになった気がします、割り切った関係じゃなくてね。同じ会社で働いていても案外お互いのことって知らないものです。
経営幹部の方たちも受けられたとのこと。どうでしたか?
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青木社長 -
いろんなキーワードが出ましたよ。一緒です、結局みんな教育好きなので(笑)。プログラムで出たキーワードを中期計画、イングのありたい姿というところに全部落としこみました。
経営幹部の想いやメッセージが事業計画に盛り込まれた?
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青木社長 -
盛り込まれましたね。その中期計画を掲げた新しい期が始まり、新しいコンセプトの教室もできました。子供たちが通いたくなるカフェのような塾、すごくいいですよ。目標が一人ひとりの自分ごとになってうまく回り出しました。本当にやってよかったです。
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